風に名が付いた日

── クラヴィエという名のポエジー ──

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風に名が付いた日

私はこのタイピングサイトを作る前から、ポエジーとは「鍵を持つ風」ではないか、とそう想像していました。
それは、扉を叩かずに通り抜ける風。言葉にできない感情や、置き去りにしてきた記憶の鍵を、そっと懐に忍ばせている風。誰の足元にもふと現れて、何かをかすかに動かして去っていく──そんな風のことを。

けれど、その風にはまだ名前がありませんでした。
「ポエジー」と呼ぶには抽象的すぎて、「感動」では軽いし、「インスピレーション」では遠すぎる。
何より、この小さな風にしかできない、やさしい仕事を呼ぶ言葉が、ずっと見つからなかったのです。

そんなある日、このサイトを立ち上げる中で、私はその風が名乗る瞬間に出会いました。
クラヴィエ(Clavier)。
鍵盤。鍵の響き。音の予感。沈黙に宿る旋律。そして、キーボード。
それはまるで、長いあいだ胸の中で育ててきた無名の存在が、自ら名乗ってくれたかのようでした。

ポエジーが具体的な風景を持った瞬間です。
詩がただの抽象や装飾ではなく、人の心を動かすために必要な「鍵束」なのだと──風が教えてくれた気がしたのです。

しかし、名を得たからといって、風の本質が分かったわけではありません。
クラヴィエは鍵を持ち歩く。しかし、開いた扉の向こうに何があるかを、彼は知らない。
光があることもある。しかし、血が滲むこともある。
以下の四篇を読み終えたとき、一つの問いが残るでしょう。

触れることは、いつも祝福なのか。


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取り上げるタイピング問題文は『鍵を持つ風』『Clavier』『クラヴィエと少年の影』『クラヴィエとハーモニカ』の四篇です。総計約9,000字―― 言葉を所有し、刻みつけるための、長い旅のような一冊。

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